卒業したニャンコ
いよいよ、卒業のシーズンですね。
そんな卒業式に参加したニャンコのエピソードを。
「キャンパスの卒業生、ミスティ」
アメリカ東海岸にある小さなリベラルアーツカレッジ、グリーンヒル大学。この大学では、毎年5月に芝生の広場で盛大な卒業式が開催される。卒業生たちは黒いガウンと四角いキャップを身にまとい、家族や友人が見守る中で学位を受け取るのが伝統だ。しかし、ある年の卒業式に、思いがけない「ゲスト」が現れた。
そのゲストとは、キャンパスに住む灰色の猫「ミスティ」。ミスティは図書館の裏にある茂みに住み着き、学生たちから愛されていた。試験期間にはストレスを抱えた学生に寄り添い、寮の窓辺で昼寝する姿がSNSで話題になることもあった。特に卒業生のエマにとって、ミスティは4年間の大学生活を共にした特別な存在だった。エマはよくカフェテリアのチキンナゲットをミスティと分け合い、論文に追われる夜にはミスティを膝に乗せて気分転換していた。
卒業式当日、晴天の下で式典が始まった。学部長の挨拶が終わり、卒業生一人ひとりが名前を呼ばれてステージに上がる中、突然、観客席の間を縫うようにミスティが現れた。どうやらエマを探しに来たらしい。ミスティは卒業生たちの足元をすり抜け、ステージの端まで堂々と歩いてきた。ちょうどその時、エマの名前が呼ばれ、彼女が学位を受け取るために立つと、ミスティが「ミャウ！」と一声鳴いてエマの足元に飛びついた。
会場は一瞬静まり返った後、大笑いと拍手に包まれた。エマは少し恥ずかしそうに笑いながらミスティを抱き上げ、「こいつも一緒に卒業したかったみたいですね」とマイク越しに冗談を言った。観客席からは「ミスティ！ミスティ！」とチャントが起こり、教授陣までもが笑顔で拍手を送った。
その後、ミスティを抱えたエマの写真は大学の公式インスタグラムにアップされ、「グリーンヒル大学、名誉卒業生ミスティ」とキャプションがつけられた。卒業式後、エマはミスティをキャンパスに残し、新しい都市での生活を始めたが、ミスティは次の世代の学生たちにも愛され続け、キャンパスの伝説となっています。
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