火打ち箱
- Takeshi Kimishima
- 4月2日
- 読了時間: 2分
アンデルセンの誕生日ですね。せっかくなのでアンデルセンの童話をお楽しみ下さい。
「火打ち箱」(原題:*Fyrtøjet*)は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンが1835年に発表した童話で、彼の初期の代表作の一つです。この物語は、アンデルセンがデンマークの民話を基に独自の想像力を加えて創作したもので、冒険、魔法、そして教訓が織り交ぜられた魅力的な話です。

「火打ち箱」
物語は、ある貧しい兵士が戦争から帰る途中で始まります。彼は道で老婆に出会い、彼女から奇妙な依頼を受けます。老婆は、兵士に木の中にある地下の部屋に降りて、そこで「火打ち箱」を取ってきてほしいと頼みます。その見返りに、地下にある銅貨、銀貨、金貨を自由に持って行っていいと言います。ただし、火打ち箱以外には何も持ってこないようにと念を押されます。
兵士が木の穴に降りていくと、そこには3つの部屋があり、それぞれに巨大な目を持つ犬が守っています。
1. 最初の部屋 銅貨の山を守る、目が茶皿ほどの大きさの犬。
2. 次の部屋 銀貨の山を守る、目が水車ほどの大きさの犬。
3. 最後の部屋金貨の山を守る、目が塔ほどの大きさの犬。
兵士は老婆から教わった通り、犬たちをエプロンに座らせて大人しくさせ、それぞれの部屋からお金を少しずつ持ち出します。そして、最後に火打ち箱を手に入れて地上に戻ります。しかし、老婆が火打ち箱の中身を明かさないため、兵士は疑心暗鬼になり、彼女を剣で殺してしまいます。そして、火打ち箱とお金を持って町へ向かいます。
町で贅沢な暮らしを始めた兵士は、火打ち箱の秘密を知ります。火打ち箱を擦ると、3匹の犬が現れ、彼の願いを叶えてくれるのです。
1回擦ると銅貨を守っていた犬が現れ、
2回擦ると銀貨の犬、
3回擦ると金貨の犬が現れます。
犬たちは兵士の命令に従い、彼に富や力をもたらします。やがて、兵士は町で噂される美しい王女に会いたいと願います。しかし、王女は王と王妃によって塔に閉じ込められており、誰も近づけません。兵士は犬の力を使い、夜中に王女を自分の部屋に連れてきます。王女と過ごすうちに彼は恋に落ちますが、王女が連れ去られたことが王にバレてしまい、兵士は捕らえられ、死刑を宣告されます。
処刑の日、兵士は最後の願いとして火打ち箱を擦ることを許されます。彼が火打ち箱を擦ると、3匹の犬が現れ、裁判官や王、王妃を襲って殺してしまいます。
民衆は兵士を新しい王として認め、彼は王女と結婚して幸せに暮らすのです。
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