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雨と子猫
- Takeshi Kimishima
- 6月11日
- 読了時間: 1分
6月11日 傘の日
梅雨ですね。傘の日に因んでそんな雨の日の素敵な出会いの物語をお楽しみ下さい。
ある雨の降る午後、3時59分頃の静かな町で、小さな男の子タカシは学校からの帰り道を急いでいた。手に持つ赤い傘が雨音を奏でる中、道端の茂みから小さな「ニャー」という声が聞こえてきた。驚いたタカシが傘を傾けて覗き込むと、びしょ濡れで震えている子猫がそこにいた。毛並みが黒と白に分かれ、大きな目でタカシを見つめている。
「大丈夫だよ、寒いよね」とタカシは優しく言い、傘を広げて子猫を保護した。子猫は怯えながらもタカシの膝に飛び乗り、傘の中で小さく丸まった。雨脚が強まる中、タカシは家まで急ぎ、母親に事情を説明すると、子猫をタオルで拭いて暖かくしてあげた。名前を「ミウ」と付けたこの子猫は、その日からタカシの大切な家族になった。雨が止んだ後、窓から見える虹を二人は一緒に眺め、奇跡のような出会いを喜んだ。

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