ナナ・ニャン・ワンとクジラの夕日
- Takeshi Kimishima

- 7月20日
- 読了時間: 3分
7月20日、夏休みの朝。小学1年生の女の子、ナナ(7歳、好奇心いっぱいで少しおっちょこちょい)は、キラキラ光る海に冒険に出ようと、リュックに水筒とサンドイッチを詰めて家を飛び出しました。ナナの住む町は海の近く。今日は、おじさんのいる近くのビーチまで探検に行くことにしたのです。
海岸への道すがら、ナナは草むらで小さな三毛猫に出会いました。少しやせっぽちだけど、目はキラキラ。「キミ、名前は?…うーん、7月20日だから、ニャンって呼ぶね!」ナナが言うと、猫は「にゃーん!」と嬉しそうに返事。ニャンはナナの後をついて、トコトコ歩き出しました。
ビーチに着くと、海岸監視員をしているおじさんが「ナナちゃん、一人で来たの?海は広いから気をつけてね」と心配そう。すると、おじさんの相棒、救助犬のワン(3歳、中型犬の男の子、忠実でちょっと食いしん坊)が「ワン!」と元気に登場。「ワンが護衛につくよ!」とおじさんが笑顔で言いました。ナナは「ありがとう!ナナ・ニャン・ワン、冒険チーム結成!7月20日だけに…」と拳を上げ、ニャンとワンも「にゃん!」「ワン!」とノリノリ。
3人は砂浜を走り、波と追いかけっこ。ナナは大きな海に目を輝かせ、「こんな広い世界、初めて見た!」と叫びました。ニャンは波しぶきを避けつつ貝殻をチョイチョイ。ワンはしっぽを振って砂を掘りまくり。楽しそうな3人に、通りがかりの海鳥も「カァ!」と応援。
夕方近く、ナナが海の向こうを眺めていると、遠くで何か大きな影が動きました。「あれ、なに!?」ナナが指さすと、ニャンが「にゃん!」と耳をピン。ワンも「ワン!ワン!」と吠えました。すると、影はどんどん近づき、ザバーン!と大きなクジラが水面に現れたのです!その背中はキラキラ光り、まるで海の王様のよう。
ナナはドキドキしながら、「ねえ、クジラさん!はじめまして!」と手を振って叫びました。すると、クジラは大きく息を吐き、シューッ!と高い水しぶきを上げて答えてくれました。まるで「こんにちは!」と言っているみたい。ニャンはびっくりしてナナの後ろに隠れ、ワンは興奮してくるくる回る。クジラはゆっくり泳ぎながら、もう一度水しぶきを上げ、遠くへ去っていきました。
ちょうど太陽が海に沈み始め、オレンジとピンクの夕日が空を染めました。クジラの後ろ姿が、キラキラ光る海と夕日の間でゆったり泳ぐ姿は、まるで絵本の1ページ。ナナは目を潤ませ、「ナナ・ニャン・ワンでこんなすごいもの見れた…!クジラさん、ありがとう!」とつぶやきました。ニャンは「にゃーん」と寄り添い、ワンは「ワン!」と優しく吠えて、3人で夕日を見つめました。
家に帰る途中、ナナはニャンを抱っこし、ワンは並んで歩きながら、「7月20日はナナ・ニャン・ワンの冒険記念日だね!来年もクジラさんに会いに行こう!」と約束。ニャンはナナの家で新しい家族になり、ワンは監視員のおじさんと一緒に、ナナの次の冒険を心待ちにしていました。
おしまい







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